(生理ネタ)



下腹部に違和感があると気づいたのは先日。
体調が優れないとわかったのは昨日。
やけに気だるいと知ったのは今日の午前で、ついに異変を察知したのが現在。
ああ、まただ。またきてしまったのだ。気だるくなる正体を知って、さらに気分が重くなる。体が、やけに重い。具合も悪い。吐き気が込み上げる。原因なんて一つしかなかった。



(………気持ち、悪いな)




それでも前線の自分が休むわけにはいかなかった。いつも通りには動くことのできない体を無理矢理引きずるように動かす。皆連戦続きで疲れているのは同じなのだ。私だけが甘えてはいけない。重い脚を絡まさせないように叱咤しながら何とか歩いているとふらりと世界が回った。あ、やば、いかも。言いようもない悪寒と吐き気に目を回し、倒れかけた時にうしろから誰かに肩を掴まれた。ぐらり。倒れることは免れたけれど、その衝撃で私の体はそのままその人に凭れかかることになってしまった。ユーリだった。自分の不調に誰よりも早く気づいてくれたらしい。あまりの申し訳なさと不甲斐なさにそっと自分の唇を噛んだことを彼は知らないだろう。


「ユーリ………」
「お前、今日おかしいぞ」
「……!何でも、何でもないんです、ごめんなさい、ちゃんと、ちゃんと戦いますから。支えてくれて、ありがとうございます、もう大丈夫ですから………」
「………」


同性ならいざしらず、異性にその理由を話すべきではないと判断した私は、そっとユーリから身を離そうとする。しかしユーリの手は私から離れようとはしない。むしろ離れようとすればするほどユーリの手には力がこもっていく。………もしかして、怒っているのだろうか。戦闘に支障を出すと思われているのかもしれない。いや、もう支障をきたしているの間違いか………やはり、大人しくしておけば良かったーーーー



「ユーリ、あの、」
「なぁアスベル」



ユーリの黒くて長い髪が私の肩越しにかかるほど近づいて、私は身動ぎしてしまう。アスベル。彼の唇が自分のすぐ傍ーーーー耳元で自分の名を紡ぐ。それはやけに嬉しそうな声色だった。どうして、そんなに嬉しそうなんだろうか。怒ってはいないのか。そう疑問に思ったその次の瞬間、私の思考は誰でもない彼の言葉によってストップさせられてしまった。なん、で。なんでなんでなんでーーーー!!





「アスベル、お前、」










今日、生理だろ?










ああ愛しのメノフィリア!






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -